数年前から数ヶ月前からの話題ばかりを詰め込みましたが、腐りかけが美味しいとも申しますから。
今まであたくしがお金のない男性お金のある男性問わず受け入れられてこなかったのは自分の社会的立場が低いせいだと考えました。例えば身ごもったとしてあたくしが椎名林檎や竹内結子だったならば二つ返事でむしろあちらから是非に結婚してくださいと言われたと思うのです。例示の対象が遠すぎる点については承知しております。しかし社会的ヒエラルキーにおいて最下層におりますとそんな事態になりましてもお腹を蹴られるのが関の山。あたくしだって相当の社会的地位がありさえすれば断られないのではないか。そう考えなけなしの金子を放りまして今年さまざまな試験を受けに受けたのでございますがことごとくから壮絶に落とされました。頭も錆付いた三十路に残された道はもう何もないのでしょうか。まずは地道に働いて経済的自立という頭がそもそも抜けております。外見及び性格がよろしくないという条件も抜けております。そんな現状でございますから、とりあえず数年は働きに出ずとも専属家政婦及び産む機械としていてくれれば良いとの有り難い申し出を素直に受けることにいたしました。寄生先が実家から別のところに移っただけのこのパラサイトマダムが、との罵声を浴びつつも、パラサイトとは産む機械に向かって失礼な、万能細胞から精子も作れるのですからティプトリーが何篇も書いたような男性が不要の人間社会はすぐそこなのですよ、と嫌な囁きをしてようやくあたくしが男性に受け入れられてこなかった根幹に思い当たることができた気がするのでした。何はともあれ社会的立場もなく経済的自立も成し遂げていないままのあたくしがこの現代社会で生きながらえるには産む機械として現実に参戦するしかございません。もし不良品や故障中だったとしてもリコールされる前に産む機械として売れるしかございません。つまりはそういうことなのです。
そもそも嫁いでおりません。
どうも嫁ぐらしいという話が周辺に流れてきて幾歳月。何の前触れもなく突然「結婚しました」報告があるのがこういったサイトの定石なのですが、あたくしは嫁ぐらしいという話が出てから即このサイトのネタにするつもりでした。嫁ぐらしいという話をふっておきませんと、いざ破談になりましたとき、読んで下さっている皆様にカタルシスが得られないからです。やはり何の前触れもなく「破談になりました」では面白くありません。
そんな軽口が叩けたのは嫁ぐらしいという話が出た直後くらいのものでした。第一報からあまりに動きがなくあたくしも報告することがないものですから両親と一時音信不通に陥りました。おかげで実家からは「破談して帰る家もなくネカフェ難民になっているのではないか」といういたって真顔の問い合わせがやって参りました。家を飛び出してはあちらこちらを転々とし出すあたくしの素行の悪さが遂に「娘がネカフェ難民に」を想像させるまでに至っていたのです。
そもそも嫁ぐらしいという話が出たこと自体が今年度に入ってからという急展開でして、例えば去年の今頃の自分にそれを言っても「はあ?」と気違いを見るような目を向けられるのが落ちでありましょう。そんな唐突さでやってきたトツギーノは今月に入りましてこれまたやはり唐突に式の日程が決まり、しかもその今月中に式を執り行うことになりました。できちゃった婚でもありませんのに。更になぜかヨーロッパの役所で。なぜかは問わないで下さい。自分の行動の突飛さは自分自身が最も承知しております。
某国の役所に書類が正式に受理されたのも今月ならば、渡航の航空券を用意したのも今月、宿泊場所に至ってはまだ決まっておりません。蝦夷地と変わらぬ寒空の下で凍え死ぬ可能性もはらんだ婚姻はまだまだ「破談になりました」の可能性を十分に含んでいると思います。思いますから直前ではございますが事後報告ではなく破談への前振りといたしまして「嫁ぎます、多分」の事前報告とさせていただきます。来月からぱたりと更新が途絶えたといたしましてもどうか探さないで下さい。