(2017.6.26追記:人によってはとても大きな話だった三点リーダが縦にならない問題が日本語環境でも解決したようなので、現在は有料ならWord、無料ならmiテキストエディタをおすすめします)
WWDCでしたね
(遠い目で元職場の皆さんが大変な目に遭っているのを想像しているところ)
Macさん縦書き不向き問題
昔Macを売る人と「じゃあ私、『Mac買ってイケてる俺になりたい!』みたいなかんじの客やりますね!」とロールプレイさせてもらって、おおお! もう俺にはMac買う選択肢しかなかった! 俺はMacを買うために生まれてきた! と思わせられるようなセールストークを散々聞かせてもらった後、「で、縦書きしたいんですけど!!」と言ったらSiriばりの無表情声で「すみません、よくわかりません(シャットアウト)」とコミュニケーションを遮断された思い出。
Macを日本で使うにあたって一番の泣き所は「狂おしいほどに縦書きに対応してない」です。いやまあ「単に縦に文章を表示する」程度ならPagesもできるんですけどね。なにかしらの原稿を書こうとすると、もし札幌にApple Storeを戻そうと努力し再開店後も維持せんとす余裕とお金と人員がApple社内にあるなら是非そのリソースを使ってPagesを縦書き完全対応にしてくれたほうがよっぽどユーザーが増えるよマジで頼むよ……と経営方針的なものに口出ししたくなるほどに不便です。iPhoneの占拠率がハンパない良いお客さんな国相手であってもFeliCa対応を意地でもしてこなかったメーカーに、このレベルのローカライズをお願いするのは無理というものでしょうか。
Mac縦書き対応エディタの現状
一言で言えば、全人類が物書堂さんのエディタを待ち焦がれている状態です。
縦中横とルビができる縦書きエディタ、App Storeに3つしかない。ぜんぶ有料です。
Word
- 段組はできるしPDF化も容易、小説本のようなものを作ろうとしたら最も簡単にできる
三点リーダ(…)とダッシュ(─)を縦書きにする術がない。多用する小説書きは死ぬしかない(環境をUSにするとできないことはないようだが色々面倒)(2017.6.26追記:これ、遂に直った気が……します……! ──わたしの勘違いでなければ。みんな、三点リーダとダッシュ──使いまくろう……!)- 重い
Hagoromo
- 末長く原稿用紙入力が必要ならこれ一択
- 段組はできないので書籍作成には不向き
iText Pro
- 標準のテキストエディットの上位互換的存在。職人並の微調整が要求されるが一応原稿用紙設定もあり
- 2015年6月で更新が止まっており将来に期待できない。これからのインストールは勧めづらい。無料版のExpressで使い勝手を試すと良いです(縦中横は有料版のProのみです)
- 軽い
どうですこの焼け野原。
無料ならmi テキストエディタ
App Store経由ではなく作者さんのサイトから直接ダウンロードでよければ、miバージョン3が便利です。
やったー! 三点リーダも縦になるよ!! ダッシュも大丈夫だよ! というかWordよ、金をとるならそれくらいできて!!!(後日追記:我々のお布施がついに結実したっぽいので打ち消します)
アルファベットは自動的に縦表示となるので、縦中横として機能が独立はしていませんがあまり問題ないかと思います。聞いてるかWord。ただルビは使えなさそう。
2014年にApp Storeで大幅なレギュレーションの変更があったそうで、いくつかのテキストエディタが姿を消しました。miもそのひとつで、バージョン3は当初からApp Storeでの公開がなされていません。miバージョン2使ってたのに縦書き原稿用紙を搭載したβ版ができてたことに気付かなかったよー。正式版も無料でリリース予定だそうですが、これはお金を払わせてほしいレベル。
結論
物書堂さん、無理のない範囲での開発を応援しています。
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原稿用紙出力は上記記事の方法が最も手っ取り早いです(繰り返しますが三点リーダとダッシュが使えないと死ぬ人は死ぬしかない)