山里亮太さんとYOUさんがホストで各業界の裏話を聞こう、という番組。この回、全然興味なかったので再放送もスルーしてたんですが、ねほぱほの回を重ねても「最も闇が深い」「結局こいつが番組史上一番ヤバいやつ」みたいな評判に耐えかね、ついに昨夜アンコール放送していたのを観ました。
ねほりんぱほりん | 「恋愛を学校で教えてもらいたかった…」5分で分かる『ねほりんぱほりん』ナンパ教室に通う男 | NHK どーがステーション
公式の5分でわかる「ナンパ教室に通う男」動画まとめ
「ナンパ教室に通う男」まとめ | 赤裸々トークまとめ | ねほりんぱほりんブログ:NHK
公式のテキストまとめ
動画のほうがわずかに会話が多いですが、だいたい同じ内容です。私は最近聴覚が落ちまくっており(耳鼻科に行ってもまったく問題がなかったので脳の伝達の問題ぽいです。感音声難聴とかいうのに近いかもしれない)、テキストで読んだほうが圧倒的に楽でした。この番組の肝のひとつが人形の細やかな芝居とはいえ、両方用意してもらえるの助かる。
なんか読んでるだけだけど、ナンパに成功していると言うより、精神的に不安定な女性を狙って性行為を強要しているだけに思えてしまった……。女性に警察..「【ねほりんぱほりん】チャラいと思われたナンパ教室に通う男50歳の闇「番組史上..」https://t.co/G90UOHEPj6
— kagiami (@Armchairtheory1) 2017年1月11日
前半のナンパ教室のくだりで同意するのは上記の意見です。知り合いで「土下座で『やらせてくれ』と迫り3桁の女性を経験していた人」がいたのですが、その迫られた女性たちからも話を聞くに、押し切られたことをずっと後悔していたり、今なら訴えるとか言ってたりしてたんですよ……。
土下座程度の単なる力押しですら断りきれなかった女性が多発するんです。女性が断れない方向に持って行く、洗脳に近い手法を活用する恋愛工学とかナンパ教室とかはもうなんか仲間の一人がウェーイ東京は無料のソープランドだぜーいフグ丸ごと1匹買ってきたぜーいとかいって調理免許所持者不在のフグパーティ開いちゃってテトロドトキシンで一網打尽になればいいんじゃないかなと思ってるんですけど。
視聴後にまとめたサイトや感想を見て回ったところ、ほとんど取り上げられておらず、Toggeterでも完全スルーされていたんですが、私が一番「やべえ」と思ってしまったところはですね。
離れていった恋人に「今までの金返せ!」とかクズな人間性の素が出てしまうタカノリ(仮名。三代目J Soul BrothersでEXILEの岩田剛典さんからだそうです。中学受験して慶應法を出てるLDH随一の高学歴を選ぶあたりからもプライド高そうだなーと思っちゃう)さんに、山里さんからこの日一番の鋭い指摘が飛びます。
「だからナンパ教室が何とか社会に適応するように抑えつけてくれてるんだ!」
この指摘の後、好きになった部下へパワハラとセクハラの併せ技を繰り出し訴えられた過去を語り出します。罪を犯した人が、ナンパ教室の教えからナンパ師になることにより、再び犯罪に走ることを抑えられている……!
(※同衾の強要は立派な犯罪だという前段の話は不本意ですが置いておきます)
って、それ、全然いい話じゃないから! ナンパ教室で百万回トレーニングして「女は獲物」という価値観に基づいてなら行動できるようになっただけだから!!! 女性と人間として向き合えてないの直ってないから!!!!! 恋愛工学者として別のダメな適応しちゃっただけだから!!!!!!!
長続きする恋愛に必要なのは、相手を尊重できること、相手の立場に立てること、相手に共感できること、相手の幸せを願えることである。
ていうかね、ナンパ教室に通う男に必要なのは今からでも率直に言ってSSTですよ。ここまで生きてきた中年に言うのもなんですが。
SSTとは,エス・エス・ティ,社会生活技能訓練などとも呼ばれることがあり,前節の認知行動療法と社会学習理論を基盤にした支援方法の一つである。
社会の中で,相手から自分の望むような反応(望むような回答,理解など)を得るためには,一定の認知や行動(言動)のスキルが必要である。たとえば,親しくなりたいと思うクラスメートへ話しかけたときに,相手も同じように自分と親しくなりたいと思い,それを表現してくれるような結果が得られる話しかけ方などは,人によっては何の苦もなくできることであるが,一部の若者にとっては,一定の知識を得て,訓練をして,初めてできるようになることである。そのようなときに,必要な知識(どのような言動が望ましいかなどの情報)を与え,練習(行動リハーサルなど,ロールプレイなどを通して実際にやってみる体験)できるように支援の順序とコツを定め,構造化した支援の方法がSSTである。
「恋愛能力は自然に身につくものではない」ことにも、「恋は昔の自分に戻ってしまう危険な要素で怖い」という自分の加害性にも、ちゃんと気付いているタカノリ(仮名)さん。暖かく諭してくれるYOUさんに対して「結婚しろと言われるかと思っちゃいました、ありがとうございました〜」という反応をするところからは、世間からか家族からか周囲からかはわからないけど「恋愛して結婚できて当たり前」というプレッシャーをずっと強く感じてて、真面目に悩んだ結果がナンパ教室だったんだな、というのはわかる。わかるんですけど。ナンパで9割逃げられてレジリエンス鍛えられて、仕事でクズさがにじみ出るのを軽減できたというのも本当ではあるんでしょうけど。
社会適応……これって社会適応したの……? いや社会適応ってなんなんだ……? と非常に疑問が残る結末でした。おとなしく仕事できるようになればプライベートで社外のたくさんの女性に迷惑がかかってそうでもそれは社会適応なのか……?
「結婚とか子供作るとかいう尺度に囚われなくてもいいんだよ」というYOUさんの言葉は優しく響くんですけど、でもタカノリさんはそこから本当に解放されたい人なのか? 解放されたいならナンパ師としての人生を謳歌してるだろうし、実際謳歌しているというように見せてはいるけど、それはナンパ師といういびつな形で社会適応してしまったがために選択肢がなくなっただけではないのか?
私は他人を人間と認識してほしいという意味でも、性犯罪的な意味でも、いつかタカノリさんがナンパ教室及びナンパの牢獄から卒業できることを願います。
岡大は非リアに優しい、いい大学です。 pic.twitter.com/D09rqGF5Fy
— ナガオ (@ksk_0521) 2017年1月17日
岡山大学さんすばらしい。
ねほりんぱほりんは地下アイドルの回で「手ブラチェキなんてねえよ!」と話題になってましたが、
こういう番組って知られれば知られるほどゲストに詐欺師や虚言癖や愉快犯が混ざる危険性が上がるしリサーチに手が回らなくなるんじゃないかなと思うんですよね。国会議員秘書の話でも「政策秘書で周りに秘密で勤めるのは法的に不可能だから!」と気になる部分がありました。長く続けようとしたら一般的なドキュメンタリーのように徹底的に行動を追跡し取材していく番組にするしかない。それでもテレビから求められていることに応えようとナチュラルに嘘をついてしまう行動は排除できない。でも、このナンパ教室に通う男の圧倒的リアリティの光芒よ。
前述の危惧に制作側はものすごく気を遣っていることが伝わってくるインタビュー。
↑たまたま昨日の記事だったので。性別に限らず他人事ではない。とにかく洗脳手法を身につけた人と接点を持っちゃダメ。洗脳セミナーだけど高級羽毛布団を売り付けられる前の激安商品だけ買えるよ! 行ってみてよ! って近寄らせて加担するのも1億%ダメです。
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↑マインド・コントロールの手法は確立していて、どんなに気をつけてても嵌められるのです。