にごらない

超雑記

オザケン再臨でざわざわする中年へ贈るフジファブリック入門


 これのもうちょっと詳しい話をします。フジファブリックにはギターで現ボーカルの山内総一郎さんが小沢健二さんの『LIFE』を100万回聴いて作った曲群があります(私が勝手にそう呼んでいるだけですが、山内さんがオザケンの『LIFE』を名盤だと思っているのは事実です)。


 2011年、『モテキ的音楽のススメ COVERS FOR MTK LOVERS盤』でフジファブリックは小沢健二さんの『ぼくらが旅に出る理由』をカバーしました。それに小沢さんが公式サイトで応えます。


http://hihumiyo.net/ya.html


 これを読むと「あー、大槻ケンヂさんの『天使たちのシーン』、めっちゃ良かったっすねえ……」とかも懐かしく思い出しますね。というかこの文章を小沢さんに書かせただけでフジファブリック優勝。


 ここからは妄想なんですけど、それまでの人生で『LIFE』を50万回聴いてきた山内さんが、このカバーのときプラス50万回聴いたんですよ。そしたら天から小沢健二の神が山内さんに降りてきたんです。ピコーン! できたー! そこで生まれたのが同じく2011年のアルバム『STAR』収録の『パレード』です。この曲、ライブでやられてみたら腕が勝手にワイパーしささり(北海道弁)、「サビでワイパー! フジファブリックのライブで、曲サビでワイパー……!!」と山内総一郎さんの王子様力に愕然としました。


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11曲目です。どうぞご試聴ください。


https://www.amazon.co.jp/STAR-フジファブリック/dp/B00FSB6EWY/ref=pd_sim_340_6?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=7G7C14Q6CMSC1KY8E065


 Youtubeなどでもうちょっと聴けるところがないかと思ったんですけど、ないんですねー。すみません。なにかしらの手段で聴いてください。小沢健二さんから直々にお褒めいただいた曲なのでそれくらいの労力はオリーブ中年にも湧くと信じます。


 ……そんなこと言われてもめんどくさいんだよ中年には残された時間が少ないんだから手間を省けよ! というあなた、ごもっともです。ではこちらをお聴きください。2015年発表の『Girl! Girl! Girl!』です。乃木坂46のことなんか1mmも知らなかったそこの中年も「橋本奈々未ちゃん、なんで引退してしまったんや……幸せに……おなり……!」ってなること請け合いです。


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 これらの作品群は「志村正彦のフジファブリック的なもの」から成長したうえで一番遠いところへ到達している気がするのも好きなところです。フジファブリックかくあるべしを過剰に背負った曲もそれはそれで、よっ! 待ってました! 十八番! みたいでもちろん楽しいのですが。


 あとまあこんな記事まで読んでる中年はCorneliusも高確率で聴いてきたはずなので付け加えると、フジファブリックはコーネリアスのことも大好きです。スペシャ限定ポッキーCM曲という不思議なタイアップがついた、こちらの『流線形』(2012年)をお聴きください。


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 フルじゃないもののギリギリ間奏まで聴けるのでぜひ最後まで聴いてください。フェイドアウトしていく間奏部が完全に『STAR FRUITS SURF RIDER』です。しかもこの曲のエンジニアは高山徹さんです。本物にやらせちゃったよ! で、この流線形が徒然モノクロームとダブルA面で入ったシングルの3曲目が『ぼくらが旅に出る理由』のカバーなんで、パーフリスト中年はまずこのシングルを買えばいいんじゃないかな! 『徒然モノクローム』が山内時代における「フジファブリック的な曲」の代表作のひとつでもありますし。

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徒然モノクローム/流線形

徒然モノクローム/流線形


 今頃になって「みんなの一歩気になるよ」「みんなの一歩気をつけて」などと詞にポッキーをかけてることに気がつきました。徒然モノクロームでもつり球のキャラ散りばめたし、ベースの加藤慎一さんの詞はこういう言葉遊びもつくづくすばらしい。もっと書いてほしい。ナンセンスさがずば抜けてる。


 最後にフジファブリックの小沢健二さんカバーといえば、志村時代からのファンにとっては『今夜はブギー・バック』です。GO FOR THE SUNでスパルタローカルズやアナログフィッシュとアンコールでやったのはもちろんなんですけど、志村正彦さんがラジオに出演したときに弾き語っている音源のほうがたぶんファンには有名です。不法音源が消されてはアップされで出回ってますので各自検索してください。すごくいいカバーなんだけどスチャダラパートがちょっと怪しいです、ってかこれ山内さんと2人でラジオ出たときの音源で山内さんがバックでギター弾いてる収録なんだから、全部一人でやらないでラップかボーカルか山内さんに回せばいいのにと今なら思っちゃうんですけど、志村さんはフジファブリックの絶対的ボーカルだったので仕方ない。この頃の山内さんは自分で歌うなんて微塵も考えてなかったんだろうなとしみじみしましょう。


 最後に、志村ボーカル曲で唯一ワイパーが起きる曲は『Surfer King』です。ブリッジ部、「♪ただよって 打ち寄せて〜」のところ、ここはギターも暇なので、志村さんが手を振ってワイパーを強要してきます。志村時代ではこういう冗談みたいな使われ方しかされてこなかったワイパーが、山内時代では本気のワイパーになってるのもキャラの違いがくっきりしてて面白い。そしてスカパラホーンズが参加した唯二の曲が『Surfer King』と『パレード』だという事実もまたおかし。


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改めて読み返すとこの記事、全然音楽の話してないな!